青トラ訪問記・家族が集まる、パッシブデザインの家 見学会(静岡県袋井市)

びおソーラーの松原です。

2021年1月9日、10日に静岡県袋井市にて「家族が集まる、パッシブデザインの家」の完成見学会が開かれました。施工は袋井市の(株)造居さんです。このお宅には昨年7月にびおソーラー部材をお届けし、集熱パネルの施工にも立ち会わせていただきましたが、あれから半年が経過して無事に完成しました。おめでとうございます。

2020年7月31日のブログより:https://biosolar.jp/wp-admin/post.php?post=9921&action=edit

造居の小澤社長から是非私に見せたいものがあるとの連絡をいただいたので1月9日に訪問させていただきました。この日は気持ちいい青空が広がる天気でしたが気温が日中でも一桁しかなくてすごく寒い! でも絶好のソーラー日和でした。

造居・OPEN HOUSEの案内:https://zoui.jp/2021010910-2/

造居 西部亭

小澤さんが私に見せたかったのは、びおソーラーの立下りダクト(小屋裏から床下まで結ぶ垂直ダクト)の仕上げ方法でした。1,2階の居室内に露出するダクトを如何に見せるか? 悩みに悩んだ末に作り上げたのが下の写真の形です。

造居 西部亭

造居 西部亭

一見大黒柱のように見えますが内部にグラスウール製丸ダクト(外径φ200mm)が入っています。杉板を面取り加工してスリットを設けて取付けることで「大黒柱」よりも軽快な感じになりました。来場者の目にもすぐに止まり「これ何ですか?」と必ず聞かれるという事で、びおソーラーの話をする上でも良いきっかけになったそうです。ダクトを壁の中に完全に隠すというのも有りですが、このように室内のワンポイントとして見せるのも面白いのではないでしょうか。

立下りダクトの見せ方あれこれ

私が青トラで訪問するのは工事中が多くて完成時を見ることはなかなか無いのですが、立下りダクトをどのように仕上げるかはよく問い合わせを受ける事でもありますから、これまでに見てきた中からいくつか紹介したいと思います。

1.ラッキングカバー仕上

手の物語が提供するダクト化粧部材に「ラッキングカバー」があります。これはカラーGL鋼板製で働き長さは900mm。ダクトに被せ、下から重ね合わせながら取付けて行きます。色は複数の中からお好みのものを選ぶことができ、サイズはグラスウールダクト(Φ150/Φ200)用とスパイラルダクト(Φ150)用を用意しています。

グートンライフ

GWダクト+ラッキングカバー仕上

讃岐緑想

スパイラルダクト+ラッキングカバー仕上

ラッキングカバー色見本

2.和紙張り仕上

次に紹介するのは立下りダクトに和紙を張った事例です。GWダクトの表面は後述するようにアルミシート張りとなっていて弾力がありますから、この上に直に仕上をするのはやり難かったり、耐久性の面で心配だったりするので、一般的には紙管ボイドを半分に割ったものでダクトを包み、下地処理した上から和紙等を張って仕上げています。同様の方法で仕上げ材を変えてクロス張りや塗装仕上げとすることも出来ます。

神山町集合住宅

GWダクト+和紙張り仕上

神山町集合住宅

床と同材で見切りを作って納めた事例

3.土塗り仕上

福岡県の建築工房 悠山想さんが施工された土塗り仕上げによる立下りダクトです。

悠山想

古民家の改修物件へのびおソーラー導入事例  薪ストーブの右に見える円柱が土塗り仕上の立下りダクト

悠山想

土塗り仕上の立下りダクト表面

4.スパイラルダクト+塗装仕上げ

鋼製スパイラルダクトに塗装して仕上げた事例です。鋼製スパイラルダクトは立下りダクトを細く見せたいという場合に使用されます。当然ですが断熱されていないので床下へ到達する前に熱が逃げる事が懸念されますが「逃げても室内だから・・・」という事で良しとされています。ダクト内を集熱空気が流れ、内側から暖められる事によりダクト表面の塗膜がひび割れて剥離する場合があるそうなので使用する塗料の選定に注意が必要です。(スパイラルダクトや塗料は現場で手配して下さい。)

入政建築

スパイラルダクト塗装仕上

5.グラスウールダクト素地仕上

グラスウールダクトを素地のまま露出させた立下りダクトの事例です。ダクト連結部のアルミテープ処理を丁寧に行えば有りかもしれませんね。

大石工務店

グラスウールダクト素地仕上

あなたの工夫を教えて下さい。

いくつかの施工事例をご紹介しましたが如何でしたでしょうか?立下りダクトを壁の中に通して表に出さないというのも有りですし、室内のワンポイントに露出させ、自分らしさをアピールするのも面白いと思います。今回、造居さんの建物を見せていただいて嬉しかったのは、びおソーラーが設計者、施工者各人の考え方で色々な形に表現されるようになってきているという事です。これまではどちらかと言うとこちらからの一方通行的な情報に従って取り組んでいただいている感じが多かったですが、徐々にですが「各社、各自のびおソーラー」が生まれてきているようで、すごく嬉しく思います。誰も思いつかないような面白い事をされている方がきっといると思うので、是非あなたの工夫を教えて下さい。お待ちしております。(松原美樹)