冬至=日影が最も長く伸びる日

びおソーラーの松原です。

2020年12月21日は、1年間で最も昼間が短い「冬至」でした。二十四節気が記されている暦でも見ていないと気付かない人も多いかもしれませんね。冬至と言えば昔からカボチャ(南瓜)を食べて、ゆず湯に入るのが伝統行事ですが、皆さんは実行されましたか?わが家では先日の山梨出張の時に買ってきた「ほうとう」と共にカボチャをいただきました。そしてお風呂に柚子を浮かべてのんびりバスタイム!心身共に温まりました。

冬至=日影が最も長く伸びる日

昔、名古屋の設計事務所に勤めていた頃によく「日影図」を描かされました。当時の仕事は分譲マンションの設計が多かったので、近隣との関係においてもめる原因の一つが日照権ですから、冬至の日影図だけでなく、夏至や春秋分の日のものなど何枚も描かされたものです。当時はまだCADで作図するという時代ではなかったので全部手描きでした。「日ざし曲線メジャー」というたくさんの曲線が印刷された透明なシートを日影図に当てて日影時間を算出するなんてこともしてましたね。この頃はただただ面倒くさい仕事としか思っていなくて一番下っ端だったので言われるままに仕方なく・・・って感じでした。あれから30年以上が経って現在は日影図を描くことはありませんが、びおソーラーのお陰で陽当りをものすごく意識してお仕事しています。12月19日のブログでも書きましたが、びおソーラーにとって陽当りは最も重要な事なので、周囲からの陰の影響はしっかり把握しておかなければなりません。特に冬至は影が最も長く伸びる日ですから注意が必要です。以前、南側の壁面で集熱しようとした家で冬至の頃に南東にある隣家の影が集熱パネルの温度センサーを付けている辺りに落ちて、お昼頃まで運転できなかったという失敗事例がありました。「これくらい離れていれば大丈夫だろう」と思っていても想像以上に伸びて影響を与えるのが日影なのです。

太陽位置・日影チェックシート

影の影響を事前に確認する方法としてはCADで日影図を描いたり、Google SketchUpなどの3次元モデリングソフトでチェックする人が多いかと思いますが、データをいちいち作らなくても現場で簡単に確認できるものがあったらいいなと思って「太陽位置・日影チェックシート」なるものを作った事があります。下図は北緯34度用の冬至、春秋分、夏至用のもので透明のシートに印刷されています。緯度も北緯31度~39度まで10度刻みで用意しました。これを実際の配置図や平面図の上に方位を合わせて重ねて置き、陰の影響の有無をチェックしようというものです。季節ごとの太陽位置を見比べてみると単に東から昇って西に沈むだけではない事がわかります。またこれに太陽高度が加わって陰の長さが変化するので、日射に対する建物の計画においては太陽位置の変化を立体的に捉える必要があるでしょう。今はパソコン上でシミュレーションする事が出来ますが「冬至」というタイミングだからこそどこまで日が射すのか?影はどんな風に影響してくるのか?を実際に確認してみてはいかがでしょうか?(松原美樹)

太陽位置確認シート

太陽位置確認シート(冬至)

太陽位置確認シート

太陽位置確認シート(春秋分の日)

太陽位置確認シート

太陽位置確認シート(夏至)

※現在、太陽位置確認シートの配布、販売はしておりませんが興味のある方はお問い合わせ下さい。