メンテナンス不自由を無くすための仕様変更

びおソーラーの松原です。

昨年の11月の事ですが、びおソーラーの家にお住いのお客様から「季節スイッチを「冬」にしておくと夜間に冷たい外気を取入れている」との連絡をいただきました。この状況は「冬」と「夏」の温度スイッチの配線を間違えていると考えられるので、施工者に確認していただくようにお願いしました。後日調査報告を受けたところ「配線に誤りはない。何が原因か判断できない」との事だったので現地確認に伺いました。2階の天井点検口から小屋裏に上がり、ダクト接続部とファンボックスにアクセスしたところ写真のような納まりになっていました。

谷内田邸

ダクト接続ボックスと電動ダンパー固定板が屋根の断熱層内に埋め込まれてしまっていて、電動ダンパーを取り外すことができないのです。また電気配線をまとめている端子ボックスが容易に目視確認できない位置に取付けられていたので、スマホで写真を撮って配線状況を確認しなければなりませんでした。温度スイッチから延長配線されてきているケーブルには手描きで「夏」と記されており、端子ボックスの「夏」に接続されていましたが、これが本当に「夏の温度スイッチ」につながっているのかは電動ダンパー周辺が埋まってしまっているために確認する事ができません。またこの日は時折小雨が降るはっきりしない天気だったので明確な温度差がつかず、良否の判断が難しい状況でした。このままでは問題解決にはならないので、無理やりにでも電動ダンパーを取り外してダクト接続ボックス内にある温度スイッチへの配線状況を確認してもらう事にしました。電動ダンパーは、固定板によりダクト接続ボックスの側面にビス止めされているのですが、このビスを取り外すことができない状態なので以下の方法で電動ダンパー固定板を加工してもらう事にしました。

 

狭い空間でのこの作業は大変だったと思うのですが、電動ダンパーを取り外せるようにして配線を確認したところ「夏」と記されていたケーブルの先は「冬の温度スイッチ」につながっていました。人がやることなのでミスが起こる事は仕方がありませんが、何かあった時にすぐに対応できる形でなければダメだと強く思いました。この物件では新規に「固定板底板」を製作して電動ダンパーを脱着できるようにし、メンテナンス不自由を解消しました。

電動ダンパー固定板が外せない現場は意外と多い

これまでに私が見てきた現場でも、今回のように電動ダンパー固定板が取り外せない納まりになっているケースは結構ありました。下の写真はその一例ですが、このような納まりでもし電動ダンパーが故障したら施工者としてはどのように対応するつもりなのでしょう?メーカー丸投げ?

電動ダンパー固定板が完全に屋根の中

このような事例を見てきて何らかの救済策が必要と考えていたのですが、今回の対応で製作した3ピースで構成する電動ダンパー固定板に仕様を改めて行こうと考えています。メンテナンスの事をきちんと考えて施工されている方にとっては大きなお世話かもしれませんが、最終的に迷惑を被るのはお施主様なのでご理解いただければと思います。仕様変更の時期等につきましては準備が整い次第、改めてご案内させていただきます。(松原美樹)

NEW電動ダンパー固定板

NEW電動ダンパー固定板(試作品)

NEW電動ダンパー固定板