青トラ訪問記・安曇野の別荘

びおソーラーの松原です。

先日、長野県安曇野市で建築中の別荘の施工指導に行ってきました。今回の建物は北アルプスの麓の林の中に建つ別荘です。設計は長野県安曇野市の設計工房 悠さん。施工は北安曇郡池田町の矢口工務店さんが担当され、初めてのびおソーラーという事で施工指導に伺いました。

棟が南北軸の場合の集熱面

今回の建物は、設計が先行する段階で「びおソーラーを採用できないか?」との要望がお施主様から出てきたという事なので、既に建物の形が決まっている状態からのシステム計画となりました。問題は建物の棟が南北軸になる切妻屋根だったので、集熱面を棟の東面あるいは西面に設けるか、予算が許すならば東西両面に2系統に分けて設置するか悩ましい判断を求められました。私自身は現地へ行くことが出来なかったので、設計者から送られてきた写真を元に打合せを行いましたが、西側の方が道路に面していて開放的に思えたのですが、冬場に落葉する樹木が東側の方が多くて日当たりは、こちら側の方が良いとの事だったので、東側屋根面(5.5寸勾配)にて集熱する事にしました。延床面積が170.5㎡(約52坪)あるので東向き屋根の間口いっぱいに横型集熱パネル5枚を配置。真南向き集熱でない場合は、日当たりの関係でどうしても集熱運転時間が短くなってしまうので、集熱パネル枚数を増やしてできるだけ多くの集熱量を確保するようにします。お施主様が薪ストーブを積極的に利用したいとの考えをお持ちとの事でしたので、びおソーラーによる集熱量の不足分は、室内循環機能を追加する事で薪ストーブの暖気を有効に利用できる仕組みを持たせる事にしました。

安曇野の別荘

敷地東側の様子(計画段階)

安曇野の別荘

敷地西側の様子(計画段階)

安曇野の別荘

施工指導当日の朝

2022年9月15日の午前8時半頃の様子。西側道路から建物を見ていますが、屋根に落ちる木の影が気になります。

安曇野の別荘

朝9時頃の東側屋根面

朝9時頃の東側屋根面には、たくさんの木の影が。まだ周囲の木々には青々とした葉っぱが付いており、現時点においては集熱の妨げになっています。これが冬至の頃にどんな感じになっているのか?

安曇野の別荘

集熱パネル施工の様子

安曇野の別荘

集熱パネル施工完了(午前10時半頃)

矢口工務店さんにとっては、初めてのびおソーラーの施工でしたが非常に手際よく、丁寧に施工していただいたので何事も問題なく2時間弱(目標時間内)で完了することができました。この頃には木の影も消えて、集熱パネル全体にしっかり日が当たっていました。これくらいの集熱が、できるだけ長い時間得られると良いのですが、東向き集熱の場合、恐らく午後2時頃には自分の棟の陰が影響して集熱温度が下がり、運転を終了してしまう事でしょう。しかしこの建物ではソーラー運転が終わると自動で室内循環運転に切り替わりますから薪ストーブと連携して熱の動きを上手にコントロールしていただければ、方位による不利な部分を補い合えるでしょう。完成した時に、また訪れてみたいと思います。(松原美樹)