夫婦で愉しむ小さな家(袋井)
室町時代に開山された、曹洞宗の古寺・可睡斎。徳川家康と縁の深い、古き魅力を湛えた場所です。
お寺には牡丹園もありますが、すぐそばには可睡ゆりの園もあり、目で自然を楽しめる地域に、このちいさな家は建っています。
ちいさいけれど広く暮らせる家を得意とする入政建築さん。25.5坪の平屋に、ご夫婦と娘さん2人の快適な暮らしを実現しました。
集熱パネルは南向きに3枚。冬の集熱を考え、少し勾配をつけました。
南側は道路。周囲に高い建物はないので、かなりの集熱が望めます。
平屋は、同じ床面積でも二階屋に比べると土間コンクリートの面積が大きいので、より多くの集熱量が必要になります。ファンボックスを置く位置も限られるので、床下設置される場合もありますが、今回は、屋根裏のロフトに設置されています。
みんなが集まるリビングダイニングは広く、小上がりの畳スペースもあります。
光がしっかりと入ってくる南の大きな窓の向こうには、シンボルツリーのアオダモ。これからの成長が楽しみです。
リビングの隅に、色鮮やかな真紅に塗装されたスパイラルダクトが見えます。
ここを通り、冬の日中は暖かい空気が、夏の夜間は涼風が床下へと送られます。
壁は珪藻土の塗り壁、床はヒノキのフローリングです。室内を調湿し、快適な湿度を保つことに貢献しています。
リビングダイニングと続いているキッチンですが、仕切りはないのに料理に集中できる空間として成り立っています。
窓から見えるイロハモミジが、忙しい家事仕事の合間に、心を落ち着けてくれます。
床吹き出し口は、オリジナルのものを使われています。
室内から床下へ、ゴミやほこりが落ちるので、交換式のフィルタを入れられているとのこと。風量を損なわないものであれば、フィルタなどを装着することも良いと思います。
暑い夏の日が続きますが、風鈴を揺らし涼しげに響く音と共に、ランドリーデッキから風が抜けてきます。
遠州地域は、夏は暑く、冬は吹き止まない強い風のために、実際の気温よりも寒く感じられる日が多い地域です。
全国111地点シミュレーションでいうと、遠州地域は「浜松」のデータをご参照ください。