結露との闘いが始まる!
こんにちは。びおソーラーの松原です。
先日、私の家で今年初の「結露」を確認しました。普通、結露が問題になるのは冬の事ですが、わが家ではこれからの季節が結露との闘いなのです。何が結露しているのか?というと魚を飼っている水槽です。「何だ水槽か」と思われるでしょうが、わが家でこの水槽の結露は大問題!昨年の夏は、水槽表面の結露は当然のこと、ろ過装置やホースまで水滴に覆われて床が水浸しになってしまいました。「うちでも魚飼ってるけど、そんな問題起きてないよ」と言う人もいると思いますが、わが家の水槽の住人は冷たい水を好むので夏場でも水温を20℃以下に設定しています。
その住人とは「オオグソクムシ」↓↓↓ です。
みなさんは、この生き物をご存知ですか?深海ブームの頃に「キモカワ生物」として「ダイオウグソクムシ」が人気でしたが、オオグソクムシはこれより小さい体長10~15cmくらいのダンゴムシの仲間です。飼育を始めてもうすぐ1年半になりますが、なかなか面白い生き物で、ほとんど動かないですが、何故か見ていて飽きません。ボ~っと水槽を眺めている私を見て家族も呆れています。さて今日はこのオオグソクムシ君たちが教えてくれた温度と湿度の関係のお話をしたいと思います。
ストップ・ザ・結露!
数日前のことですが朝方、少し汗ばむくらいの暑さを感じて目を覚ましました。部屋の温湿度計を見ると朝7時の時点で室温25.6℃、湿度62%との事で水槽表面に薄っすらと水滴が付いていました。今年初めての結露です。この時期の水温は17℃設定にしてあり水槽用クーラーが18℃まで上がった水温を下げようとしていました。
昨年の夏に温湿度調査を行い、エアコンと除湿器を色々なパターンで運転してみて「結露させないための条件はこれだ!」という値を探し出しました。下の表はその時の温度、湿度、露点温度の関係を整理したものの一部です。室温25.6℃、湿度62%の場合の露点温度は18℃くらいなので現在の水温設定17℃であればちょうど結露が始まるくらいの条件です。今後夏に向かって気温、湿度共に高くなって行きますが水温は20℃固定なので、この温度を露点温度にさせない室温と湿度に調整してやれば良い訳です。「湿度を下げたいなら除湿すれば良いんじゃない」と言われるでしょうが、除湿すると温度が上がるので、結果として露点温度も上がって結露が止まりません。結論としてはエアコンで冷房しつつ除湿器を使って「室温28℃、湿度60%」になるように調整すれば水温20℃の水槽表面に結露が発生しないということがわかりました。夏場の28℃、60%って人間にとっても良い感じですよね。
オオグソクムシは水深100~500mくらいの海底に住んでいて、上から落ちてくる魚や動物の死骸を食べる「海のそうじ屋さん」。その生き様は「超パッシブ」です。一方で「オオグソクムシを飼いたい!」という人間の身勝手な欲望の為にわが家の水槽に住んでもらっているので、彼らの命を守るために人間は「超アクティブ」にならなければなりません。これは飼い主の責任として多少電気代が掛かろうが、守り続けなければならないと思っています。
ふと思ったのですが、最近の人間の住まいも後者になってきていないでしょうか?「24時間快適に暮らす」と称してアクティブな手法をどんどん取り入れているように感じます。人間って暑さにも、寒さにもある程度は対応できる身体を持っていると思うのですが、いつの間にやらオオグソクムシに近づいてるのかな? (松原美樹)