青トラ訪問記・瓦屋根と土壁の家

びおソーラーの松原です。

7月10日(金) に鹿児島を発った青トラは、九州自動車道を北上。この日も熊本県の人吉や八代辺りはバケツをひっくり返したような雨でした。福岡県への移動中、2時間近く雨が弱まることがなく、ワイパーを最速にしてもほとんど前が見えないような状況でしたが、何とか熊本県玉名市(この日のお宿)まで辿り着きました。

建築工房 悠山想さんを訪問

7月11日(土) 福岡県朝倉市の建築工房 悠山想さんを訪問しました。6月3日のブログに掲載した瓦屋根にびおソーラーの集熱パネルを設置した建物を直に見てみたかったからです。

https://biosolar.jp/2020/06/%e7%a6%8f%e5%b2%a1%e3%81%ae%e7%8f%be%e5%a0%b4%e3%81%8b%e3%82%89%e5%86%99%e7%9c%9f%e3%81%8c%e5%b1%8a%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81/

悠山想さんは伝統的な木構造に拘り、土壁の建物をつくられています。私は最近、木造住宅の温熱感について「もっと心地よくする事は出来ないものか?」という事をあれこれ考えていて、熱容量を増やす目的での「土壁」に注目しています。悠山想の宮本社長は昔からこれを実践されているので技術的な話だけでなく、温熱感や住み心地についても聞いてみたいと思ってやってきました。

悠山想

悠山想

悠山想

瓦屋根のダクト貫通部

悠山想

びおソーラーの屋根貫通部

宮本岳さんに案内していただいた瓦屋根+土壁の家は、耳納山地の麓に位置し、周囲は長閑な田園風景が広がり、古くからの街道筋の町並みが残るエリアにありました。丁度雨も止んでくれたので、屋根に登って集熱面と瓦の納まりを間近で確認することができました。瓦屋根への集熱パネルの設置方法については概ね形になってきているので部材の仕様を整理していけば量産化も近そうです。これが出来ると既存の瓦屋根への設置も容易になり「ソーラーリフォーム」の新たな道が開けるのでは?と思っています。

木造建築の熱容量を大きくしたい!

よく住宅メーカーなどが「夏涼しく、冬暖かい木の家」といったコピーを用いて宣伝していますが「本当にそうかな?」と思うのです。「木」から受けるイメージを言ってるだけなのでは?と・・・ 木は金属や石より暖かく感じるでしょうし、木陰の涼しさ、心地よさみたいなイメージもあります。私は仕事柄いろいろな建物に入りますが、実際の木の家は熱容量が小さいので室温の変化が大きくて、言葉や文章で表現するのは難しいですが、何か上擦った感じがするのです。気持ち温度を下げて落ち着いた雰囲気に出来ないものだろうか?と・・・ イメージとしては土蔵でしょうか。ただそこまで熱容量を大きくすると冬が温かくなくなるので程々のバランスが必要ですが、イメージだけではない本当に「夏涼しく。冬暖かい木の家」を設備頼みじゃない形で実現出来たらいいなと思っています。土壁に期待するのはまさにその辺りなんですが、宮本社長の話では「実測した訳ではないが心地よさは感じる」との事でした。それが自分がイメージする温熱感に近いものなのかはまだ分かりませんが、これから真面目に考えて行きたいと思っています。今日は良い実践例を見せていただき大変勉強になりました。ありがとうございました。

建築工房 悠山想:https://yuuzansou.jp/

悠山想

悠山想

宮本岳さんと一緒に