青トラ訪問記・奈良県で気密測定

びおソーラーの松原です。

梅雨が明けたと思ったら凄まじい暑さが・・・ 日向を歩いていると背中が焼けるように熱かったです。今年は梅雨が長かったので「夏本番」はこれからと思われますが、既にお盆なんですよね。お盆を過ぎると徐々に秋っぽくなるもの。今日、自宅の窓から遠くの景色を眺めていたら雲の感じや空の色に何となく秋を感じました。まだ台風も来ていないし、残りの夏から秋にかけてどんな天気になるのでしょうね?

奈良県へ気密測定に行きました

夏休みに入る直前の8月6日、7日に奈良県天理市の工務店、木村建設さん(町の工務店ネット会員)からの依頼で2棟のモデルハウスの気密測定を行いました。6日に訪問したのは天理市田部町に今年の春に完成した「田部モデルハウス」です。こちらの建物は東京の設計事務所、スタジオあさかの久保さんの設計によるもので、びおソーラーが採用されています。7日は同じく天理市内にある築7年目の「大和町家モデルハウス」を測定しました。木村建設さんではこれまでに気密測定を行ったことがないそうで、自分たちの建物の実情を把握して今後の家づくりに活かしていきたいという事から今回の依頼になったのだそうです。

木村建設:https://kimura-kensetsu.com/

スタジオあさか:http://studioasaka.com/

気密測定の目的

気密測定とは、建物の各部に存在する隙間の面積を求めるもので「気密測定器」という機械を使用して実測します。気密性能は断熱性能と異なり計算によって求められるものではなく、実際の建物を測定することで確認するものなので、施工に携わる一人一人が気密を意識して丁寧な作業を心掛けた結果が「C値」という数値に現れるのです。では何のために気密化を図るのか? その目的は計画換気がきちんと行える条件を整えるためです。気密化が出来ていない建物では至る所に存在する隙間から自由に空気が出入りします。空気の動きと共に熱や湿気等も移動しますから、隙間だらけの建物ではいくら最新の空調設備を導入したとしても運転時間が長くなるばかりでなかなか快適にはならないでしょう。省エネの観点で気密化が重要です。また壁体内などの目に触れない場所で結露を発生させて建物を劣化させる恐れもあります。要するに自分の知らない場所で勝手に空気が出入りする事が無いようにして、計画的にコントロールするために気密化が必要なのです。

「高気密化」を目指す人の中には、C値を小さくすることだけが目的になってしまっている人がいます。「うちの建物のC値は〇〇だ」とか数値自慢をしたがるのですが、その割に「換気」に対する配慮がイマイチだったりするのです。気密化で重要なのは前述のように計画換気がしっかり行えるようにする事で数値を競う事ではありません。また建築は自動車や家電品のように工場で生産されるもの(大手ハウスメーカーは除く)ではなく都度条件が変わりますし、複数の人の手で形にしていくものなので「うっかりミス」のようなものもあるかもしれません。そう考えると気密測定は全棟実測でなければ意味がないと思います。この測定はそんなに難しい事ではないので、自社で気密測定をして性能を確認してからお施主様に引き渡しされるのが良いのではないでしょうか?何年か経ってリフォームの相談を受けた際にも再度気密測定を行い、新築時との比較が出来れば、改修工事に関する的確な判断が出来るのではないかと思います。

田部モデルハウス

木村建設・田部モデルハウス(2020年8月6日)

田部モデルハウス

気密測定中!

田部モデル

漏気の有無を確認する木村社長

Dr.ドルフィン2

気密測定器 Dr.ドルフィン2

今回の測定ではEOM(株)の新型気密測定器「Dr.ドルフィン2」をお借りしました。長く旧製品の「Dr.ドルフィン」を使ってきた人間には若干戸惑う場面もありましたが、初めて気密測定をされる方であれば使いやすい測定器だと思います。詳しくは下記にお問い合わせ下さい。

EOM(株):http://www.sunqeom.jp/

大和町家モデル

木村建設・大和町家モデル(2020年8月7日)

木村社長をモデルにしたと思われる「くーまん」が出迎えてくれました。

大和町家モデル

気密測定中!

田部モデルに比べて若干気密の値が大きいので大口径のノズルを使用して測定しています。