築30年のソーラーハウス
びおソーラーの松原です。
今年最初の仕事は浜松市内に建つ築30年の空気集熱式ソーラーの家の調査です。大規模なリノベーションが計画されており、止まったままになっている空気集熱式ソーラーシステムをどうするか?という相談を受けて、現地調査に伺いました。
内外ともによく手入れされた綺麗な建物です。屋根に登る事は出来なかったので道路から見上げただけでしたが、集熱面は年数相応の雰囲気。既存のカラーベストの屋根はガルバリウム鋼板でカバーするとの事なので、併せて集熱面のリニューアルを図るのが良いと思います。
小屋裏の棟ダクトとファンボックス
次に小屋裏を見せて頂きました。天井点検口が450mm角しかないので、既存のファンボックスを撤去しても小屋裏から出せないかも? 昔の家は後々のメンテナンスの事が無視されていることが多かったので、取り外したファンを小屋裏に残す事になるかもしれません。どこかを壊さないと設備機器の更新ができないというのはやはり問題だと思います。
ファンボックスがいつ動かなくなったのかは不明との事ですが、通電状態のままにされていました。このようなソーラーハウスが結構あるのではないかと思われますが放置は恐いですね。
集熱面への給気は小屋裏から外気を取入れる納まりになっていました。(赤枠のスリット部分が吸気口) 昔のソーラーハウスではよくある方式ですが断熱・気密の境界がものすごく曖昧で「この小屋裏は屋外なの?それとも室内?」という状況です。集熱面の改修と屋根面の断熱改修時に曖昧な部分を解消して行く必要があるでしょう。
床下の様子
ファンが壊れて送風が停止したままの床下はひどい事になっているケースが多かったので、この家の床下も心配でしたが思ったより綺麗に保たれていました。
コントローラ
このお宅に設置されていたコントローラは、お日様の動きに合わせて集熱運転するだけのシンプルなもの。これで十分だったのではと思うのですが、お湯採りに補助暖房連動、融雪モードなどが加わってどんどん複雑系へ進んで行った歴史があります。当時のハード達がどれくらい現存し、機能しているかわかりませんが、この先の建物の耐用年数を考えるときちんと整備、改修してソーラーの機能を維持して行くことが必要だと思います。
このお宅をどのように改修するかはこれから検討しますが、断熱改修も併せて行うという事なので、新築時より暖かいと感じてもらえるようにしなければならないと思っています。(松原美樹)