びおソーラーは、日中に集熱した太陽エネルギーを床下の土間コンクリートに蓄熱させます。集熱時の高い温度の空気を室内にダイレクトに送込まないので、急激な室温の上昇を抑えると共に、夜間の放熱による急激な室温低下も防いでくれます。穏やかな温熱環境をつくるための影の主役は「蓄熱」なのです。

蓄熱の効果

グラフは、冬の1日の温度測定結果です。集熱温度は正午にピークをむかえますが、床下の土間コンクリートに蓄熱されるために、リビングの室温は遅れて上昇し、15~16時頃にピークとなります。その後は徐々に下がり始めますが、その変化は穏やかです。天気の悪い日でも室温変動の傾向は変わりません。

蓄熱部の材料

蓄熱部位に用いる材料には、次の特性を持つものが適しています。

  • 熱容量(容積比熱)が大きいこと
  • 熱が伝わりやすいこと
  • 表面からの熱の吸収、放散が速やかに行われること

土間コンクリートを蓄熱体とするのは、建築の基礎として存在しているのでコストが抑えられるからです。また、既存改修の場合は水蓄熱なども有効ですし、木造住宅の2階床下の場合は、木質繊維断熱材を充填するこ
とも蓄熱に効果があります。

蓄熱は一日にしてならず

びおソーラーの蓄熱は、毎日コツコツ熱を貯めています。床吹出し口から出てくる風が、体温より低く暖かいと感じないのは、床下の土間コンクリートに蓄熱されているからです。また、新築直後のびおソーラー運転開始時は、土間コンクリートが十分に乾いていないため、熱を奪われてしまうことが多く、蓄熱と放熱のバランスがとれていません。その後蓄熱を毎日繰り返すことで、コンクリートはだんだん乾いてきます。蓄熱は即効性があるものではなく、時間をかけてゆっくり、安定した温度になります。
土間コンクリートは、立下りダクトの周辺から暖まり、だんだん遠くに暖かさが広がっていきます。スムーズに床下に空気を流すためにも、基礎形状や床吹出し口の配置などに配慮が必要です。

蓄熱部位としての基礎

びおソーラーの基礎は、蓄熱範囲については基礎断熱工法のベタ基礎を標準としますが、建物条件や地盤条件に応じた設計をしてください。基礎断熱の方法は、図のように外張断熱でも内張断熱でも構いませんが、床下の熱が外に逃げないようにしてください。

断熱材の厚さは、地域毎に定められた省エネ基準に従います。内張断熱を採用した場合、基礎立上り部から600mm幅くらいの土間コンクリート上面を断熱材で覆いますが、蓄熱範囲が狭い場合には蓄熱コンクリートが露出しなくなる可能性がありますので、適宜加減して施工してください。

蓄熱コンクリートの厚さはベタ基礎の構造的な必要厚さとしますが、構造に関係しない場合は、一般的な住宅では100mm程度必要です。また次の条件の場合は熱を奪われる可能性があるので、蓄熱コンクリート下に断熱材を敷設してください。

  • 建築地の地下水位が高く熱を奪われやすい場合。
  • 道路や隣地が建築地より低く、境界が法面になっている敷地で、計画建物がこれに接近して配置される場合。

基礎と土台の間や設備配管の貫通部は、気密化を図ってください。また床組を大引き・根太工法とした場合、床と間仕切壁の取合い部に隙間が生じ、床下の暖気が壁内に逃げてしまいますので、そのような部分の漏気にも注意してください。

床下の構造

蓄熱層下断熱の有無について

蓄熱コンクリートの下を断熱すべきかどうかの判断は、敷地及び周辺の状況から判断します。以下のような場合はコンクリート下を断熱した方が良いでしょう。

  1. 敷地内の地下水位が高い。
    表層近くで水が出るような土地の場合は、水に熱を奪われる恐れがある。
  2. 近隣に河川や湖沼、田んぼ等がある。
    川は堤防の間だけを流れている訳ではなく、広い範囲の地下を流れている。
  3. 計画地よりも隣地の方が高い。
    隣地に降った雨は低い所に出てくるので土間下に水が存在する可能性がある。
  4. 経過内より隣地が低く、法面が境界である。
    法面から熱が逃げる恐れがある。

集熱屋根

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熱を取得する

断熱だけでは加温はできません。冬に自然室温で暮らすためには、自然界から熱を取得する必要があります。

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熱と空気の動きをデザインする

最も重要なのは、熱と空気の流れをデザインすることです。目に見えない流体の動きをイメージしながら、建物内に熱と空気の流路を組込むこと。